
株やFXを始めたときに初心者が何これ?となる「一目均衡表(いちもくきんこうひょう)」。
テクニカル分析の一種なのですが、この記事ではその「一目均衡表」の見方や使い方だけでなく、その使い方のコツまで、実戦のチャートを出しながら解説していきます。
今まで一目均衡表に振れたことがなかった人も、この記事を読めば理解が深まり、実戦にも生かせますよ。
本記事の目次
1.一目均衡表の定義と見方の解説(実は。。。)
2.一目均衡表の使い方とコツ【実戦で解説】
一目均衡表は日本生まれのテクニカル分析の一つで、「一目山人」という人(ペンネームらしいです)が生み出したものです。一目均衡表は5つの指標から成ります。それがこちら(タップすると説明に飛びます)。
1.1.基準線
1.2.転換線
1.3.先行スパン1
1.4.先行スパン2
1.5.遅行スパン
これだけだと意味わからないですね。なので、1個ずつ定義を含めてきちんと解説していきますので、下記チャートを理解できるようになりましょう。

基準線は「過去26日間の高値と安値の中間値」となります。
すなわち、
(26日間の高値+26日間の安値)/2
ですね。 言い換えると基準線は長期線のことですね。
転換線は「過去9日の高値と安値の中間値」です。
すなわち、
(9日間の高値+9日間の安値)/2
ですね。
基準線よりも期間が長いわけですから、言い換えると転換線は短期線のことと思ってもよいでしょう。 ここまでは非常に分かりやすい!
ここから難しくなってきます。
先行スパン1は「転換線と基準線の中間値を26日先に記入したもの」です。
(転換線+基準線)/2 を26日先に記入したもの
すなわち、
({(9日間の高値+9日間の安値)/2}+{(26日間の高値+26日間の安値)/2})/2
です。
[{(9日間の高値+26日間の高値)+(9日間の安値+26日間の安値)}/2]/2
={(9日間の高値+26日間の高値)+(9日間の安値+26日間の安値)}/4
ですね。9日間と26日間の高値と安値の平均とも見れますね。
先行スパン2は
「52日間の高値と安値の中間値を26日先に記入したもの」となります。
すなわち
(52日間の高値+52日間の安値)/2
を26日先に記入したものです。
遅行スパンは
「当日の終値を26日前にさかのぼって記入したもの」
です。これはシンプル。これを見たら分かりますか?わからなくても次で分かるようになるので大丈夫です。読み進めてください。

実は、この一目均衡表、計算式は確かにあるのですが、特に遅行スパンに関してはあまり納得できなくないですか?
世間的に見ても、一目均衡表を使用して取引する人は多いものの、数式的には例えば標準偏差を利用したボリンジャーバンドなどと比べると納得しにくくないですか?
なので、この後、述べますが、一目均衡表を使う際には、判断指標を自分なりに厳しくした方がいいかな、と思っています。それを含めて解説していきます。
では、どうやって使えばいいんだ、という話になりますが、例えば、次の図を見てみてください。最初に示したこのチャート(ソニーの株価)を使って説明していきます。

売りでの使い方は買いの逆になるので、分かりやすい買いで説明していきますね。 一目均衡表を用いた買いのポイントは次の3つになります(タップすると説明に飛びます)。
・転換線が基準線を下から上へ突き抜ける(いわゆるゴールデンクロス)
・「雲」の上でローソク足が推移(先行スパンを使用)
・遅行スパンが価格を抜ける
それぞれをきちんと解説していきますので理解してくださいね。
転換線が基準線を下から上へ突き抜ける(いわゆるゴールデンクロス)
ゴールデンクロスは聞いたことある人もいるでしょう。
転換線は短期(9日)の平均線ですから、それが基準線(26日)の平均線を追い越したということは、今に近い平均の方が、それよりも前を含めたものより、値動きが転換線の方向に向かっていることになります。
なので、転換線が基準線を下から上へ突き抜けたときは今まさに、値動きが上行きの勢いが強くなっていることを示すので、この後も値が上昇する可能性が高いことを意味しています。 図でいう青丸のところですね。

「雲」は一目均衡表ならでは単語です。
「雲」とは、「先行スパン1と先行スパン2で挟まれた領域のこと」を指します。そして、この領域がローソク足の抵抗線ないし支持線になってくれます。
飛行機に乗ったときに、雲内部では気流が乱れ、飛行機も揺れますが、雲の上方ないし下方では飛行機が安定すると思います。このように、雲が抵抗線ないし支持線となり、値(飛行機)が雲の上ないし下で動くというものです。
なので、「雲の上でローソク足が推移するときが買いサインである」というのは、雲が上昇トレンドのときの支持線になってくれている、ということを意味します。 図でいう青丸のところですね。確かに反発しています。

遅行スパンが株価を抜けるのは至ってシンプルです。
遅行スパンは今の終値を26日前のところに記したものを繋ぎ続けた線ですから、遅行スパンがチャート(価格)の上にあれば、今の終値は26日前の値よりも上にある、すなわち、26日で見たときに上昇相場であると判断します。
そのため、遅行スパンがローソク足を上抜けした場合は、価格が下落に向かっていたものが強く上昇し始めたということを意味すると考えられるので、買いサインになります。
一言でいうと上昇/下降トレンドを今の値を26日前と比較して判断しますよ。ということです。意外と単純。難しく考えないことが大切です。
図でいうと青丸の点線部分ですね。

3つの買いサインを分かっていただけたでしょうか。1つ1つの買いサインだと判断に乏しいため、特にこの3つの買いサインがそろったときに、より強い買いができる判断となります。
知らなくてもいいですが、このことを「三役好転」なんて言ったりします。逆に3つの売りサインがそろったときを「三役逆転」などと言います。
個人的には一目均衡表で判断するときには2つ以上そろったときにしています。1つだと怖すぎるので。だって例えば「遅行スパンが価格を抜ける」だけで上昇か下落かを判断するのって怖いですよね。。。
まとめ
今回はテクニカル分析の指標の一つである、「一目均衡表」について学んできました。テクニカル分析で判断するときには、できるだけ根拠を持つことが大切です。
ですので、今回理解したことを基にして、是非きちんと根拠を持って取引してください。
そして、心が乱されて無駄に取引回数を増やして手数料やスプレッドが積み重なって利益が減ってしまうことがないような、そんな良い取引ができることを祈っています。
この記事の著者について
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